最近、「まんがで読破 君主論」を読んだので忘れないようにアウトプットします。
君主論とは
君主論は 16 世紀のまだイタリアが統一されていない時代、フィレンツェ共和国の外交官ニコロ・マキアヴェッリによって書かれた権謀術数書です。
自らの経験から優しさで指導者は務まらないと考えたマキアヴェッリが執筆した、時の権力者への「リーダーのための指導書」として書かれたものになります。
現代ではビジネスでリーダーシップを磨くための自己啓発本として読まれています。
本書を読んで以下の 2 つのことが学べました。
- リーダーの在り方
- 部下の扱い方
次項でまとめます。
リーダーの在り方
リーダーがやるべきことは自分の組織を守ることです。
これを体現するためには以下のことに気を付ける必要があります。
- 人から恐れられ、恨まれないこと
- 常に正義と力を求めること
- 人からの軽蔑を避けること
- 未来を見据えて行動すること
人から恐れられ、恨まれないこと
リーダーは人から恐られる存在であり、人から恨まれないことで組織を守ります。
人から恐れられることで組織内では反対勢力が生まれにくく、組織外からは攻撃されにくい環境を作ります。
また、人から恨まれないことで組織内外問わず、新しい敵を作らずに済みます。
人の怨みを買わないためには名誉・財産といった人のモノを奪わないことです。 *1
リーダーは人から恐れられても人の道を大きく外れてはいけません。
常に正義と力を求めること
部下たちは自分を守ってくれないリーダーに忠誠を誓いません。
リーダーには敵に対しては苛烈さが求められます。
また、自身や味方に対しては厳格であり、正しさ、秩序、安らぎを与えることが求められます。
人からの軽蔑を避けること
リーダーは常にスゴイという尊敬の意を集める必要があります。
そのためにも判断力の欠けるようなところを見せてはいけません。
優柔不断な態度は返って状況を悪化させ、信頼や尊敬を失います。
また、他人の意見に翻弄されてはいけません。
他人の意見に翻弄され、主張が二転三転すると気が変わりやすく軽薄だと軽蔑されてしまいます。
未来を見据えて行動すること
先の見通しが甘いと組織を危険な目に合わせる事になります。
このため、リーダーは歴史を学び未来予測のスキルを磨く必要があります。
人はいつの世も同じことを考え、同じことを臨むため、未来へのすべての対処法は過去にあります。
部下の扱い方
良いリーダーは部下の扱いが上手です。
そのためには以下のようなことを実践します。
- 優秀な部下をつけること
- 部下に良案を出させること
- 部下に適切な報酬と仕事を与えること
- 部下に自身の努力の成果を見せること
優秀な部下をつけること
優秀な部下をつけることで、優秀な人からの忠誠を得ている好人物と周りから認められ、尊敬されやすくなります。
リーダーの人格や力量は部下を見るとわかります。
ダメな人のところにはダメな人しか集まりません。
そのため、リーダーは自分を支える人材の選定に気を付けないといけません。
部下に良案を出させること
リーダーには 3 つのタイプがあります。
- 自分で考え、決断することの出来るリーダー
- 自分では考えられないが、人の意見を採用して物事を決断出来るリーダー
- 自分で考えることも、人の意見を採用することも出来ないリーダー
優秀なリーダーは 1 番目ですが、2 番目のリーダーであれば組織は十分維持出来ます。
つまり、リーダーには良い人材を確保し、良案を提案させる能力が問われます。
部下の良案を潰すようなリーダーには YES マンでしかない無能な部下しか残りません。
部下に適切な報酬と仕事を与えること
リーダーは信頼のある部下のため、安心して働ける環境を作る必要があります。
組織のためになる優秀な人材には優遇し褒め称えます。
力にならないものにも必要な存在であることを明示します。
また、小出しに恩恵を与えることでリーダーという存在のありがたみをわからせる必要があります。
さらに、部下の適性を見極め適材適所な仕事を与えることはリーダーの勤めです。
多少使いにくい部下でもうまく使いこなす能力が問われます。
部下に自身の努力の成果を見せること
日々、粉骨砕身努力を惜しまないリーダーにこそ良運は運ばれてきます。
慎重にコトを運ぶことより、計画に対して果敢に猛進することで幸運は舞い降ります。
時には人からの不理解で孤独になることもあります。
しかし、努力が結実し、成果が出れば部下は自然とついてきます。
まとめ
君主論からリーダーの在り方を学びました。
自分なりに簡潔に書くと良いリーダーは以下の特徴を持っているかと思います。
- 自他共に厳しくあること
- 誠実であること
- 努力家で勉強熱心なこと
- 人の意見をまとめ、意思決定出来ること
- 部下をよく見て、適切な仕事を与え、よく褒めていること
- 部下に自分の努力の成果を見せていること
私はまだ仕事においては人を率いるリーダーのポジションにはありません。
ですが、然るべき時が来てもすぐに対応出来るように心得ておきたいと思いました。
*1:現代では財産を奪うことは稀だと思いますが、名誉は無意識のうちに奪っている可能性があるので気をつけたほうが良いかなと思いました。